再入国許可、みなし再入国許可について

今回は再入国許可、みなし再入国許可についてまとめていきます。

再入国許可制度とは

再入国許可制度とは、現在の在留資格を保有したまま1年以上日本を出国する場合に、あらかじめ出入国管理庁で手続きをすることにより、再入国時の手続きが簡単になるという制度です。出国に先立ち、この許可を受けることで入国するために査証を取り付ける必要がなく、スムーズに入国をすることができます。
　この再入国許可は、1回の出国に限り有効なもの（シングル）、有効期限内であれば何度でも使用できるものがあります。（マルチ）があります。

再入国許可の申請手続きは、居住地を管轄する地方出入国在留管理局、出張所等でおこないます。原則は本人が行いますが、病気などで手続きが難しい場合は、法定代理人が代わりに行うことも可能です。（申請者が16歳未満の場合も同じ。）

再入国許可がなされた場合、自身がもつ在留資格の期間を超えて再入国する権利を与えられているわけではありません。例えば有効期間が３年の就労ビザをすでにお持ちで、在留資格の有効期限が残り２年の状態になった場合に再入国許可（マルチ）の許可を得て、何回も再入国の手続きを簡略化する権利が得られた状態でも、２年たった状態で再入国をすると、在留資格を失うことにもつながりかねるので注意が必要です。

申請方法

居住地を管轄する地方入国管理局、支店、出張所にて行います。問題なければ即日に許可を取得することができます。必要書類は
・再入国許可申請書
・パスポート
・在留カード
・身分証明の文書（代理人が申請する場合）
であり、シングルの再入国許可であれば３０００円、マルチの場合は6000円の手数料がひつようになります。

みなし再入国許可とは？

有効なパスポートや在留カードを所持する外国人が出国後１年以内に再入国する場合は、原則として再入国許可を受ける必要はありません。ですので再入国する際は簡単な手続きのみので入国することができます。みなし再入国許可で注意が必要な点は、出国後１年以内に再入国しなければ在留資格が失われる点にあります。（今お持ちの在留資格の期限が１年未満の場合であればその期限が到来した時に期限は切れます。）何かしらの事情があって出国してから１年以内に入国できなかったとしても、１年以内に再入国できなかっとして判断されるため注意が必要です。例外事項として有効なパスポート及び特別永住者証明書を所持する特別永住者について、出国後２年以内に再入国する場合は、原則再入国居は必要ありません。通常再入国まで1年の期間が設けれていますが、特別永住者に関しては２年と長く設定されている部分が例外部分にあたります。

みなし再入国許可の対象とならないもの

みなし再入国許可の対象とならないものは下記のとおりです。
・短期滞在ビザ等日本での在留期間が短いもの
・在留資格取り消し手続き中のもの
・出国確認の留保対象者
・収容令書の発付を受けている者(退去強制の手続き中のもの)
・難民認定申請中の特定活動の在留資格ををもって在留するもの
・日本の利益または公安を害するおそれがあること、その他の出入国の公正な管理のため再入国の許可を要すると認めるに足りる相当の理由ががあるとして法務大臣が認定するもの

出国確認の留保対象とは？？

詳しい説明はここでは省きますが、もともと日本に在留していた外国人が罪から逃れるために日本から出国しようとしている外国人のことを言います。（一時的に出国手続きをストップさせる）

収容令書の発付を受けている者とは？

入国審査官から退去強制事由に該当するとして疑われている外国人に対して、拘束する目的で出される通知のこと。

申請方法

日本を出国する際に空港で行うことができます。手続き方法は、有効なパスポートや在留カードを持参して、再入国出国記録の意思表示欄にある「一時的な出国であり、再入国する予定です。」にチェックを入れて提出するだけです。

以前は日本を出るたびに再入国手続きを行わなければなりませんでしたが、みなし再入国許可制度などができたおかげで面倒な手間が省けました。この再入国許可に関する知識はつけておきたいものですね。