今回は犬や、猫を海外から日本に連れてきたい場合に行う手続き、注意することについてまとめていきます。
犬、猫などを海外から連れてくる場合は、家畜伝染予防法、犬等の輸出入検疫規則、犬等の輸入検疫要領などの法令を守る必要があり、農林水産省の管轄となっております。この手続きは農林水産省が指定している、指定地域からの輸入なのかそうではないのかによって異なるため、下記ではそれぞれの場合に分けて記載していきます。
指定地域
アイスランド、オーストラリア、グアム、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ
検疫所について
検疫は、到着空海港を管轄する動物検疫所において行われます。現在犬を輸入できる空海港は下記の場所です
犬を輸入できる空海港
空港:新千歳空港、成田国際空港、東京国際空港(羽田)、中部国際空港、関西国際空港、大阪国際空港、神戸空港、北九州空港、福岡空港、鹿児島空港、那覇空港
港:苫小牧港、京浜港、名古屋港、阪神港、関門港、博多港、鹿児島港、那覇港
もし盲導犬などの補助犬として日本に犬を連れてくる場合は上記で記載した場所以外の空海港でも輸入することができます。また猫の場合は上記の空海港でも輸入できる可能性があります。なぜかというと、猫の場合はレプトスピラ症を発症することがないからです。
レプトスピラ症とは?
レプトスピラ症とは、レプトスピラ菌によって引き起こされる感染症です。レプトスピラ菌はネズミやイヌなどの哺乳類に感染し、動物の尿中に排泄されることから、土壌や水が汚染されます。人は、汚染された水などの環境に接触することにより感染します。感染しても症状がないか、ごく軽いかぜ症状ですむことが多いですが、なかには黄疸、腎障害などの重篤な症状を呈することもあります。
もし犬、ねこねどを連れてくるための条件が整っている場合は基本的に輸入検査は12時間以内であり、家畜防疫官が必要と認める時間で終了します。(通常は輸出国の政府機関発行の証明書、マイクロチップの確認をするだけ)
もし仮に条件が整っていない場合は、最大180日間は保留検査をうけなければならず、この保留検査の期間にかかるお金(食費、郵送料、獣医の診察料金など)は輸入者が負担します。また保留施設は全国で11か所あり、面会をすることも可能です。それでは下に、指定地域からの場合、指定地域外からの輸入の場合について記載します。
指定地域から犬、ネコをつれてくる場合
輸入前に行うこと
❶適正なマイクロチップを装着させること
❷日本到着前の40日前までに、事前届をおこなうこと
➌届け出受理書を受け取ること
❹出国前に診察を受けること
❺輸出国政府機関による証明書をうけとること
上記が輸入前に行うことです。※ただし出生以来指定地域で飼育されていること、日本へ輸出される前180日間以上、指定地域のみ飼育されていること、日本から輸出されて以降指定地域のみで飼育されていることをみたさなければなりません。
輸入時に行うこと
輸入車は、到着空海港で、動物検疫所に下記の書類を提出し、輸入検査を行います。
・輸入検査申請書
・届出受理書、
・輸出国政府機関発行の証明書
・その他必要書類
上記の書類を動物検疫所の家畜防疫官がチェックします。そして、個体識別による確認も行います。それらの確認が完了したうえで、上記❶から❺の条件が合格したら、12時間程度で終了します、適合しなければ最長180日にかかる可能性がある保留検査に回されます。
指定地域外から犬、ネコを連れてくる場合
輸入前の準備ですが、輸入時の検査を12時間以内にするためには下記の事前準備が必要になってきます。
❶適正なマイクロチップ
❷狂犬病予防注射の接種
➌狂犬病ウイルスに対する血清中和抗体価の採血検査
❹抗体保有後180日間の輸出待機期間
❺事前届出
❻届出受理書
❼出国前の臨床検査
❽輸出国政府機関の証明書の取得
輸入時の手続き
輸入時の手続きの流れ、特徴などは指定地域から輸入した時と基本的に同じです。ただチェックされる書類が、指定地域からの輸入の時と比べて多くなります。
簡単ではありましたが、海外から犬、ネコなどを連れてくる場合について必要な手続き、書類について解説してきました。ご参考になれば幸いです。
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