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難民認定制度について

目次

難民認定制度とは

1981年1月1日より発効された難民条約を日本国内で実施するために難民認定制度が作られました。外国人が難民条約の難民として権利や利益を受けるには法務大臣より認定されなければなりません。認定されるには申請を行います。仮滞在許可制度は退去強制手続は停止され仮滞在の期間終了するまで日本に滞在できるものです。仮滞在期間は原則として3か月ですが期間更新は可能です。難民参与制度は難民不認定処分に対する不服申し立てにおいて当事者でもある入管当局が適正に対応できているのか疑問があり、法務大臣が異議申し立てを決定するときには手続きの公正性・中立性・透明性をより確保するため選任された難民審査専門委員の意見を聴かなくてはなりません。

難民認定申請手続について

⑴申請期間

改正により期間制限なし。

⑵申請窓口

申請者の住所または現在地を管轄する地方入国管理局・その支局、出張所で受理をしています。東京入国管理局では、難民審査部門で難民申請専門のTATという部屋が作られています。大阪・名古屋入国管理局は入国・在留審査部門が仙台・札幌・高松入国管理局は、審査部門が申請窓口となっています。

⑶申請書類

①提出書類

ア 難民認定申請書(各国語版が法務省ホームページにあります) 1通

イ 申請者が難民であることを証明する資料(または難民であることを主張する陳述書) 1通

ウ 写真(提出日前3か月以内に撮影された縦4㎝×横3㎝の無帽、正面上半身のもので裏面に氏名が記載されているもの) 2葉(ただし在留資格未取者については3葉)

エ 以下の書類の提示が必要になります。

ⓐ旅券または在留資格証明書(旅券または在留資格証明書が提示できない外国人はその理由を記載した書面1通を提出)

ⓑ在留カード(在留カードを所持している場合)

©仮上陸の許可、乗員上陸の許可、緊急上陸の許可、遭難による上陸の許可または一時庇護のための上陸許可を受けている外国人はその許可書

(注)仮放免中の外国人は仮放免許可書

難民認定を受けたら

難民認定をうけると以下の権利や利益を受けることができます。

⑴難民旅行証明書の交付

1年間の有効期間で何回でも日本に出入国できます。交付手数料は5000円。

⑵永住許可要件の緩和

永住許可要件の「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること」を満たさない場合でも法務大臣の裁量で永住許可を受けることができます。

⑶法務大臣の採決の特例

刑法や入管法等の法律に違反して退去強制事由に該当しても在留の特許可を決定するときに特別の考慮が法務大臣よりされることがあります。

⑷難民条約に定められている各種権利の享受

義務教育の無料、国民年金や国民健康保険への加入等の社会保障、生活保護費の受給等の公的扶助および援助等について日本人と同等の待遇を受けることができます。

難民認定申請の現状と課題

日本は、難民認定申請者に対して比較的厳格な審査基準を採用していることが指摘されています。過去数年間の難民認定申請の受理率は、1~2%程度にとどまっており、多くの申請者が難民認定を受けられない状況にあります。このような状況に対して、国際社会から批判が寄せられることもあります。

日本の難民認定制度には、以下のような課題が指摘されています。

  1. 審査基準の厳格さ:申請者が迫害を受けるおそれがあると認められるためには、明確な証拠や詳細な経緯の説明が求め

られますが、難民であるために証拠を持ち出すことが困難な場合が多いことから、難民認定が認められないケースが多いとされています。

  1. 審査期間の長さ:日本の難民認定申請の審査期間は、数か月から数年に及ぶことが珍しくありません。この間、申請者は不安定な生活を余儀なくされ、生活費や医療費などのサポートが十分でない場合があります。
  2. 法的支援の不足:難民認定申請の手続きは複雑であり、申請者には法的知識や日本語能力が求められることが多いです。しかし、十分な法的支援が受けられない場合があり、申請者の不利益につながることが懸念されています。

今後の展望

日本政府は、難民認定制度の改善に向けた取り組みを進めています。例えば、審査期間の短縮や法的支援の充実などが検討されているほか、一部の難民認定申請者に対しては仮許可制度を導入し、一定期間の生活費や医療費を支給する試行が始まっています。

また、国際社会と連携して、難民問題に対する支援策を強化していくことが求められています。これには、難民の自立支援や定住支援、日本企業による雇用促進など、多様な取り組みが含まれます。

まとめ

日本における難民認定申請は、厳格な審査基準や手続きの複雑さから、難民認定が認められるケースが少ないとされています。しかし、国際社会と連携した取り組みや制度改善によって、今後の難民認定申請の状況が改善されることが期待されています。これにより、より多くの難民が安全で安定した生活を送ることができるようになることが望まれます。

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