在留資格取り消し制度とは?
在留資格取り消し制度は平成16年に入管法が改正され作られた制度で、在留資格制度の適正化を目的に作られました。
この在留資格取り消しの事由としては
1虚偽の申告、不利益事実の隠蔽、虚偽申請
2在留資格に対応する活動をしていない場合
3住居地の届出等を行わず一定期間が経過したもの
などがあります。
1虚偽の申告、不利益事実の隠蔽、虚偽申請の例
虚偽の事業計画書を作成、事業を行っていないがやっているように見せかける為、偽装したテナントの賃貸契約書等を作成し資料のひとつとして提出。自身が持っているビザの在留期限がもうすぐで切れるため、日本人女性と偽装結婚。母国の親を扶養に入れ、税金の免除をしていたが、母国に一切送金していなかった。
2在留資格に対応する活動をしていない場合
家族滞在のビザで日本に在留しているが、資格外活動許可などを得ずにコンビニなどでアルバイトをしていた。就労ビザで、認められた範囲外の業界で仕事をしていた。日本人の配偶者等ビザで滞在していたが、偽装結婚であり、同居をしていなかった。留学ビザで在留しているが、学校に一切いっていなかった。
3住居地の届出を行わず一定期間が経過した場合
引っ越し等をしたにもかかわらず14日以内に届出をださなかった。
在留特別許可がでて90日以内に届出をおこなわなかったもの。
これらの事由に該当した外国人を法務大臣は一定の裁量をもって在留資格の取り消し処分を行う事ができます。
ただしこれらの届出を行わなかったことにたいして正当な理由がある場合は在留資格取り消しの対象にはなりません。例えば日ごろから配偶者からのDVをうけており、届け出をすることにより安全な毎日を送ることが難しくなるケースや、急な倒産、派遣切りによりお金に余裕がなくなり、今住んでいるお家からでていかなければならない状況になり住所が不定になるケースなどがあげられます。
在留資格取り消しの流れ
在留資格の取り消し手続きは下記の通りです。
1意見聴取通知書
↓
2入国審査官の意見聴取
↓
3在留資格取消通知書を送達
↓
4出国
1意見聴取通知書
取消原因となる事実・意見聴取する場所を指定した「意見聴取通知書」を該当者へ通知。
2入国審査官の意見聴取
意見聴取通知書に記載ある場所にて、該当外国人が意見を述べたり証拠を提出したりできます。この意見聴取に応じず当日になって現場にあらわれなかったら、在留資格取り消しの対象になります。この意見聴取は代理人の方も参加でき、利害関係一つも参加することができます。
3在留資格取消通知書を送達
意見聴取の結果で在留資格を取り消す一定の理由がある場合は、在留資格取消通知書
が送られてきます
4出国
在留資格取り消し通知書が送られてきたら、30日以内に出国するよう猶予期間が与えられます。該当外国人は30日以内には出国しなければなりません。
在留資格が取り消された場合はどうなる?
在留資格が取り消されると日本に滞在する権利がなくなってしまう為30日以内の猶予期間の間に出国しなければなりません。もし30日以内に出国しないと入管違反対象となり、罰則をくらうと5年以上日本に来日出来なくなるので注意が必要です
日本に在留する権利がなくなってしまうおそれがある在留資格取り消し制度について解説しました。この記事が参考になれば幸いです。
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