今回は在留資格のひとつである「技能実習」についてまとめていきます。
技能実習の在留資格で日本に滞在している外国人の数は令和3年6月末の段階で、35万と、在留外国人280万の中でも1割以上を占めたくさんの外国の方がのこの在留資格を利用していることが分かります。このたくさんの外国の人たちを受け入れるための制度が存在し、技能実習制度と呼ばれています。
技能実習制度とは?
外国人技能実習制度は、我が国が先進国としての役割を果たしつつ国際社会との調和ある発展を図っていくため、技能、技術又は知識の開発途上国等への移転を図り、開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力することを目的としております。
厚生労働省ホームページより引用
というふうに定義されています。たまに、足りない人員を技能実習制度で補充しているだけでしょ?とお話を受けることがありますが、実情はそうではなく、上記の定義通りですが、日本で得た技術を自国に持ち帰り、自国の発展に貢献することを目標としているので認識に注意が必要です。
技能実習制度の現状
技能実習制度で受け入れている国は、多い順にベトナム、インドネシア、中国となっており特にベトナムから受け入れている人口は全体の50%を超えております。また職種別の割合を多い順に並べると、建設業、食品製造業、機械・金属関係となっております。
技能実習生を受け入れる方法は?
技能実習生を受け入れる方法は2種類あり、企業単独型と団体監理型があります。技能実習生はほとんど(割合的には98%超:令和4年6月時点)、団体監理型で受け入れており、企業単独型を増やすための制度作りが必要とされています。ここで団体監理型とは何か説明します。団体監理型とは、非営利団体である監理団体が、海外にある技能実習生送り出し機関と契約を結び、日本の企業に技能実習生を受け入れをサポートする団体です。
技能実習生の分類
技能実習生は大きく分けると3種類あります。
・技能実習1号
・技能実習2号
・技能実習3号
です。
技能実習1号とは?
技能実習1号とは技能実習で入国してきた外国人の中で1年目に与えられる在留資格です。1号での在留期間は最大で1年または6か月です。この在留期間を増やすためには、2号、3号へとステップアップしていく必要があります。
この技能実習1号のなかでも、受け入れ方によって2つに分けられ
企業単独型→技能実習1号イ
団体監理型→技能実習1号ロ
などがあります。
技能実習2号とは?
技能実習2号とは、技能実習1号の在留資格を持っている外国人が、技能試験に合格することにより、プラス2年在留資格を得られた人たちのことを言います。
この技能試験は、 学科試験と実技試験がありどちらも制限時間は60分以内です。注意点として1号→2号に移行する手続きには時間がかかるので在留期間が切れる2.3か月前までに試験を受験したほうがいいです。また1号と同じように受け入れ方により、技能実習2号も、技能実習2号イ、技能実習2号ロと分類されます。
技能実習3号とは?
技能実習3号も2号と同じく、日本で技能実習を受けるための在留資格です。3号になることでプラス2年日本に滞在することができ、1号から通算すると5年間日本に滞在することが可能になります。技能実習2号から3号になるために必要な試験は実技試験のみである、試験時間2~3時間と設定されています。また2号→3号にスムーズにいくには在留期間が切れる6か月前までには受験をしていたほうがいいです。
また技能実習1号、2号と同じように受け入れ方により、技能実習3号イ、技能実習3号ロと分類されます。
技能実習制度の問題点
ここまで技能実習制度について説明してきました。厚労省の定義通り、日本に来る実習生皆が技術を習得し、自国に還元することが一番の目的ですが、実際は、失踪したり、犯罪を起こしたりするケースが存在することが問題になっております。この背景には、就労先で、当初予定していた給料より少ない給料で働かせられたり、毎日日本人の上司から怒られたりとわりにあわないと感じる外国人が多くいることがあげられます。日本に来るときに、借金をした状態で来る外国人がいる中で思い通りの給料をいただけない状態がずっと続き、ひもじい生活を強いられることは非常に悲しく思います。
こういった問題も早急に改善する必要があると強く感じます。
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